原発・正力・CIA

家族との夏休みの間に一気に読んだ。
メディアを操る人が国会議員・国務大臣になり、一方は電波に関する利権の獲得・もう一方は親米の世論形成のために繋がるというような話が50年くらいにはあり得たのかというような思いを持ったが、思えばそのメディアグループは某省庁から天下りを受け容れているのであって、当時と同じような双方の利益を獲得するための協力が今でも行われているのかもしれない。
結局、全体的に言うと正力氏の方が思惑が外れてしまった部分が大きかったように思ったが、その過程で原子力の安全性について検証する機能が弱くなってしまい、今の時代まできてしまったのかなあと感じた*1。これも著者の言うように、歴史のいたずらというか、積み重ねというか...。

原発・正力・CIA―機密文書で読む昭和裏面史 (新潮新書)

原発・正力・CIA―機密文書で読む昭和裏面史 (新潮新書)

*1:本文中には総理府下の原子力委員会しか出てこないが、原子力発電所を推進する組織として活動しているように見える。経産省下の原子力安全・保安院はどういう経緯で出てきたのだろう