戦国の城

息抜きの読書。歴史の本、特に戦国時代や幕末の本はさくっと読めて気分転換になる。

都道府県レベルの調査でも各県で中世の城郭遺構が数百から千以上見つかっているとのこと。全国で言えば5万件以上で、しかもその多くは戦国時代のもの。著者は、戦国時代に城が多いのは、戦国大名の家臣が上層武士(専業武士)と下層武士(半農半士)からなっており、彼らが寄親・寄子の関係になって戦国大名の市場に入る仕組みになっていたためではないかと言っている。

また、兵農未分離から兵農分離への移行が城攻めに与えた影響も指摘している。兵農未分離の時代には農作業のために籠城戦になってもせいぜい数日、長くて二、三ヵ月で、籠城する側にも分があった。しかし兵農分離の結果、常備軍の誕生し、農繁期になったからといって兵をもどす必要はなくなり、長期の城攻めが可能になった。織田信長の強さの一つは兵農分離を早期に進めたことだとしている。

戦国の城 (学研新書)

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