戦国の合戦
3月に読んだ「戦国の城」の続編。出張先のジンバブエでサクッと読んだ。
「なるほど」と思うところが2つあった。一つは、著者による戦国時代の区分法。
戦国時代を1493年の北条早雲(伊勢新九郎)の伊豆討ち入り(堀越御所の誅滅)から1590年の豊臣秀吉の小田原攻め*1。として、
- 第一段階(1493 – 1543):室町幕府守護体制の崩壊、守護代・黒人層の台頭
- 第二段階(1544 - 1560):旧守護勢力と進行大名が急速に交代
- 第三段階(1561 - 1582):織田信長による「天下布武」の戦い
- 第四段階(1583 - 1590):豊臣秀吉による天下統一の戦い
と区分している。
もう一つは、兵農分離前と後によって軍団の編成の変更、軍団の機動性の確保(農繁期でも戦闘ができる)、城攻めの方法に変化が出た(守る側からすれば、籠城戦が有効ではなくなった)ということ。
最終章は「新資料で見る戦国十六大合戦」というもので、いわゆる「軍記物」で書かれていて、これまで通説となっていることを見直すことが書かれている。例えば桶狭間の戦いで今川義元が陣を置いていたのは谷間ではなくて山だったとか、川中島の戦いで両雄の一騎打ちや啄木鳥戦法というものがあったのかとか、姉川の戦いの規模とか。最近では、関ヶ原の戦いも見直されている(小早川秀秋の裏切りは開戦当初すぐに起こり、合戦の結果はすぐに出た)が、戦国時代の合戦ではないので、残念ながらカバーされていない。
- 作者: 小和田哲男
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*1:これには異論を挟む人はいないだろう。