会社は誰のものか

デンパサール行きの機内で読み始め、週末の間に一気に読み終えてしまう。「会社は誰のものか」というのは結局、1. 株主、2. 経営者、3. 従業員の中でどの割合が高いかという問題で、結局はこの三者のバランスが大事だろうし、また、そのバランス自体も場所によっても時代によっても変わりうるもの。この本もこの問題に正面から応えようとするのではなく、その周辺の問題を扱うものである。
この本の中で面白かった指摘は、

  • 航空会社経営はプロバイダー事業に似ている(NTT回線=飛行場、NTT=JAL&ANA総務省=国土交通省の関係)こと、
  • 会社という存在はいつの時代も犯罪のすぐ隣にある存在であること、
  • 企業拡大の3つの理由(2つの以前からの経済性=規模の経済性、範囲の経済性と新しい経済性=ネットワークの経済性)、
  • 著者の考えるこれからの企業の特徴(持ち株会社制度が進む、「人的資本」が見直される、社会的責任投資が論議される、ブランドの価値が高まる、大企業が産業政策を代行する、先祖がえりの可能性、最後には志が問われる)

だった。

会社は誰のものか (新潮新書)

会社は誰のものか (新潮新書)