2013-01-01から1年間の記事一覧

1995年

前回の読書以来出張先での仕事が忙しく、本を読む時間がなかった。12月初めに帰国した後も仕事が忙しく、年末の休みになってようやく手に取った2013年最後に読んだ本。 この本自体は1995年に起こった出来事を政治・経済・国際情勢・テクノロジー...と並べて…

龍馬史

磯田先生の本は「武士の家計簿」以来ハズレがない。この本もNHKの大河ドラマが放映されていた2010年に単行本が出版されたもので、大河ドラマ需要を狙ったのかと思ったけれど、やっぱり面白いものだった。 自分も大学生の頃の「龍馬がゆく」を読んだ口だが、…

スティ−ブ・ジョブズ 1995 ロスト・インタビュー

スティーブ・ジョブズがAppleに復帰する前年の1995年にTVの取材に答えたものを文字に起こしたもの。映画化もされ、その映像の一部もこちらで見ることができる*1。 ここでインタビューに答えるJobsは落ち着いた感じがして、冷静にこれまでのことを振り返って…

「量子論」を楽しむ本

「相対性理論を楽しむ本」を楽しく読んだので、こちらの本も手に取ってみた。「分かる本」ではなくて「楽しむ本」というのがミソ。この本にも書かれているけれど、理屈を分かろうとするのではなくて、先人の思考の過程を楽しむという感じ。 相対性理論で取り…

「京都」展、「ミケランジェロ」展

雨の降る中上野公園へ。本当は天気のよい平日に行きたいところだが、仕事が忙しくて今日しか都合がつかなかった。 特別展「京都―洛中洛外図と障壁画の美」 見どころは国宝・重要文化財に指定されている7つの洛中洛外図屏風を見られること、二条城二の丸御殿…

100分de名著 古事記

けっこうお気に入りの「100分de名著」の2013年9月が古事記を取り上げている。解説者の三浦佑之氏は以前読んだ「古事記を読み直す」の著者の方だった。 Kindleでテキストが手に入るので買ってみた。 でも、紙の本をスキャンしたような感じで、フォントや文字…

インクジェット時代が来た

クリス・アンダーソンの「Makers」で取り上げられたように、ここ数年3Dプリンタがキーテクノロジーとして取り上げられる機会が増えているけれど、この本はもう少し幅広く、インクジェット印刷技術の広がりについて書いている。 紙への印刷しか意識していない…

東京国立博物館秋の特別公開、仏頭展

10日間の帰国中の空いた時間を使って上野公園へ。前売券を買って夏休みにいこうと思いつつ行けなかった「深海展」や7月の終わりに一度行ったけれどまだ前売券の残っていた「ルーブル美術館展」をさっと見て、東京国立博物館へ。 東京国立博物館 秋の特別公開…

さんてつ―日本鉄道旅行地図帳 三陸鉄道 大震災の記録―

NHKの朝ドラ「あまちゃん」のことを取り上げるTwitterのツイートの中でこの本に触れているものがあって購入した。ちょうど、東日本大震災のときのことを取り上げた頃だったろうか。 東日本震災のときのエピソード(南リアス線の列車がトンネル内で停車して、…

リフレが正しい。FRB議長ベン・バーナンキの言葉

FRB現議長ベン・バーナンキの2002年*1以降の講演、議会証言、FRBのプレスリリース7本をまとめたもの。最初から6つ目まではまさに米国におけるインフレ目標の導入の道筋をたどるものになっている。最後の1章は2003年時点での日本の金融政策に対する提言。 第1…

宇宙への秘密の鍵

2008年の出版時に買って積ん読状態になっていたけれど、今年の夏、娘がこの本を読んでいるでいたのを見て俄然読む気になって読んでみた。 ところどころ出てくるコラムはちょっと深堀しようとすると難解なこともあるけれど、宇宙を知ることがなぜ私たちのこと…

歴史の愉しみ方

最近、NHKのBS歴史館の日本史ものではほとんど準レギュラーの磯田先生。所属先の学校が変わったなあと思っていたが、東日本震災を受けて大きな地震被害が予想される浜松の大学で江戸時代以前の地震や津波の古文書を探して研究するためだったと知って志の大き…

日本美術応援団 オトナの社会見学

以前、京都、オトナの修学旅行を読んでいたので、日本美術応援団の本はこれで2冊目。 鎌倉、長崎、奈良という街歩きと、博物館(東京大学総合研究博物館、東京国立博物館、聖徳祈念絵画館・根津美術館)、お寺(正福寺・増上寺)。それで異彩を放っているの…

相対性理論を楽しむ本

NHKの「100分 de 名著」で監修者の佐藤先生が相対性理論を解説する番組が連続で再放送になっていて、Kindleで手軽に入手できるこの本を手に取ってみた。相対性理論について初めて読んだのは中学校のとき「ニュートン」の特集だったと思う。それ以来、ずっと…

本の未来

8月16日に「青空文庫」創設者の富田倫生さんが亡くなった。 青空文庫の富田倫生さん 逝去: ポシブル堂書店からのお知らせ 富田さんを悼む - Togetter その日のうちにこの本が青空文庫に加えられ、ヤンゴンのホテルで「短く語る『本の未来』」ともども読んだ…

TPPでさらに強くなる日本

いつもの原田氏らしい、経済学を武器にすっぱりと問題を斬っているという印象を受ける著作。小気味よいが、斬られる方は痛いかもしれない。 最初に、TPPの議論に対して提示される10の批判に応え、その中から大きな批判である「毒素条項」と農業への影響につ…

解剖 アベノミクス

アベノミクスを肯定的に捉える本はいわゆる第一の矢「大胆な金融緩和」を中心にした書き方をしているものが多い*1が、この本では第二の矢「機動的な財政政策」、第三の矢「成長戦略」についてもかなり扱っていて、財政政策では財政再建と消費増税、第三の矢…

国立科学博物館

子供たちが国立科学博物館にも行きたいというので、ルーブル美術館展の帰り道に寄ってみる。もし入れるようであったら「特別展 深海」に入ろうかと思ったが、とんでもなかった。 特別展「深海」 挑戦の歩みと驚異の生きものたち- 国立科学博物館 特別展「深…

ルーブル美術館展

子供たちを連れて東京都美術館のルーブル美術館展へ。開館前に現地に到着してちょっと並んだが、すごい混雑ということもなかった。 【特別展】ルーヴル美術館展―地中海 四千年のものがたり― ルーヴル美術館展 ―地中海 四千年のものがたり― 副題にあるとおり…

博物館へ行こう

以前から博物館・美術館好きな方と思っていたけれど、足しげく通うようになったのは帰省先の近くに九州国立博物館ができたことと2008年の薬師寺展がきっかけかな。特に東京国立博物館の展示(特にライティングや展示物の見せ方)は以前とずいぶん変わったと…

幕末入門

会津藩、新撰組、長州藩、薩摩藩、土佐藩をそれぞれ一つの章に割り当て、それぞれの藩からの視点から幕末・明治維新の流れを追っている。 面白いのは最終章(6章)の「幕末史四つの謎に迫る」。中でも孝明天皇は天然痘からほとんど回復したあとにヒ素で毒殺…

江戸東京博物館

上野から両国の江戸東京博物館へ。「ファインバーグ・コレクション」展と「発掘された日本列島2013」を見る。 ファインバーグ・コレクション展もにぎわっていた。 こちらでの目的は琳派、特に鈴木其一の「群鶴図屏風」。ちょっと人が多かったのと、展示スペ…

東京都立美術館

東京都美術館の「レオナルド・ダ・ヴィンチ」展を見に行った。梅雨のさなかで天気も悪く、あまり人は出ていないんじゃないかと思ったが思っていた以上に人が多くてびっくり。 内容は、かなり玄人向けのような気がしたんだけどどうだろう。「レオナルド・ダ・…

中国絶望工場の若者たち

モザンビークで読み始め、日本で読了。日本に帰ってくるとやはり読書のペースが落ちる。 この本の主人公は「第二代農民工」と呼ばれる若者たち(1億から1億5000万人くらいいると言われている)。 日系の工場で働きながら日本製品は高嶺の花で買うことができ…

「円安大転換」後の日本経済

モザンビーク北部の島(Quirimba Islands)に往復してきた週末に読了。 副題の「為替は予想インフレ率の差で動く」は岩田先生のデフレと超円高を思いだす表現だが、これはソロスチャートで説明できない時期(日米ベースマネー比率の変動とドル円相場の動きが…

日経新聞の真実 なぜ御用メディアと言われるのか

タイトルはなかなか刺激的だけれども、それだけ著者の経済記者に対する愛情を感じる本。前半部の3章までは新聞記者、特に経済記者とはどのような人たちで新聞社の仕事がどのようなものかということがよく分かる。 4章、5章は財務省や日銀がどうやって新聞社…

ザ・万歩計

最近固い本を読み続けてきたので、ちょっと息抜きの読書。 小説はほとんど読まないけれど、著者の作品は「鹿男あをによし」、「鴨川ホルモー」、「プリンセス・トヨトミ」と読んできた。鹿男とプリンセス・トヨトミはKindle版も買ってしまった。 このエッセ…

アベノミクスのゆくえ

アベノミクス本の決定版とも言われている片岡さんの本。その理由は強固な分析のフレームワークだろう。それは筆者の言う「3x3のフレームワーク」。3つの政策手段(経済安定化政策、成長政策、所得再分配政策)、3つのステージ(経済情勢の把握、各種政策の選…

日本経済復活が引き起こすAKB48の終焉

この春にはアベノミクス本がこれでもかという勢いで出版されたが、田中先生の一ひねりも二ひねりもあるアベノミクス本。アベノミクス本の中でも普通の人に対するハードルは一番低いと行っていいだろう。Kindle版を読んだ。 「AKB48の経済学」の続編でもある…

古代史おさらい帖

ゴールデンウィーク最終日に大神社展を見に行った時に国立博物館のミュージアムショップで購入。 著者は、「倭人伝を読みなおす」の時に、著者のもともとの専門の考古学的な知識と、文献を読むことや地名などの文字の情報を組み合わすことの重要性を教えてく…