1995年

前回の読書以来出張先での仕事が忙しく、本を読む時間がなかった。12月初めに帰国した後も仕事が忙しく、年末の休みになってようやく手に取った2013年最後に読んだ本。
この本自体は1995年に起こった出来事を政治・経済・国際情勢・テクノロジー...と並べていく感じだが、読んでいる人に1995年を思い起こさせるような本。自分にとっては1995年は1月は神戸の震災にあい、その後春まで東灘区の避難所でボランティアをし、4月から東京で仕事を始め...といろんなことのあった年。2013年の今から振り返ると、1995年当時の自分からはずいぶん遠いところに来たという感じ。
震災では多くの人が亡くなり、傷つく様子を見て、自分は家族を持つようになるだろうかとか、自分のすぐ隣に死があるように思っていたが、ごく普通の家族を持って生活している。一方でインターネットに代表されるテクノロジーにドキドキ、ワクワクしていたが、今では身の回りにないと困るインフラの一つになった。2011年もこんな風に後から振り返る年になるんだろうが、経済的にはこのままデフレ脱却することができれば2013年も重要な年になるだろう。そんな風になるためには来春の消費前増税の影響をいかに小さくできるか、2015年10月の消費税の増税を先送りできるかどうかが大きな要因のように思う。
あと、この本に書かれていたエピソードで「へぇ〜」と思ったことを2つ。

  1. 「焼酎vsスコッチ競争」の帰結:それまで税率が低く、「労働者の飲み物」というイメージだった焼酎は、スコッチやウイスキーなどの蒸留酒と同レベルに税率を上げることが決まってからブランド戦略に転換し、成功した。
  2. 生産年齢人口のピーク:生産年齢人口のピークは1995年の8,716万人。総人口のピークは2008年。

1995年 (ちくま新書)

1995年 (ちくま新書)