リフレが正しい。FRB議長ベン・バーナンキの言葉

FRB現議長ベン・バーナンキの2002年*1以降の講演、議会証言、FRBのプレスリリース7本をまとめたもの。最初から6つ目まではまさに米国におけるインフレ目標の導入の道筋をたどるものになっている。最後の1章は2003年時点での日本の金融政策に対する提言。
第1章から6章までは米国のことだから日本には関係ないかというと全くそうではなく、7章の提言は2003年のものだからもう古いのかというとこれもそうではない。既に日本においても2013年4月4日から大胆な金融緩和と2%のインフレ目標が導入されているけれど、「インフレ目標」や金融政策とは何かを知るにはうってつけの文書になっている。今こそ読まれるべき本だと思う。
例えば、インフレ目標は規則ではなく枠組みであり、「制限された自由裁量」であること、中央銀行の独立性は「金融政策手段の独立性」のみ持ちうるものであり、「金融政策目標」は政府が決定し、中央銀行と共有すべきものであることが示されている。

*1:当時、すでにFRB理事に就任していた。