大丈夫な日本

タイトルを見てちょっと...と思ったが、根拠のない楽観論ではなく、歴史に学び、それを現在に生かせばよいという流れのストーリーだった。近代の「大量生産、大量消費、大量移動」を克服して限られた資源、限られた人口の中で持続可能な社会を作るためには織豊時代から江戸時代、米国との関係を考えるのには100年前(20世紀のはじめ)の英国、中国との関係を考えるのには古代からの日本と中国との関係を見ればよいということだった。
最初の章に「改革だけでビジョンがないからいけないんだ」と言っているが、この本でもまだそこまでは到達できていないように思う。改革の先にあるべきビジョンを考えるときに、歴史から学ぶアプローチがあるよと言うのがこの本のメッセージで「大丈夫な日本」はちょっと言い過ぎなように思う。
国家の品格」もそうだけど*1マーケティングのせいか、最近ちょっと言いすぎなタイトルが多いように思う。

大丈夫な日本 (文春新書)

大丈夫な日本 (文春新書)

*1:「私の品格」のほうがふさわしいように思う。