ウェブ人間論

2007年最初に読み終えた本。「ウェブ進化論」に比べると、とっつきにい本なのかもしれない。ウェブの進化に伴い、ここの人間や社会がどのように変容していくか、議論を追っていくことはなかなか難しい。
それでも、2つのことに関して関心を持った。
一つは、日本におけるネット上の社会は日本の非ネットの社会に強く影響されるもので、他の文化を持った国とは異なるものであるということ。梅田氏は「言語」の違いが大きいと指摘しているけれど、それ以外にも非ネットの社会のありようが、国または文化ごとのネット社会の違いに大きく影響するのではないだろうか?
もう一つはネットの中で扱われている話題について。まだまだコンピューターやネット以外の話題はそれほど洗練されていないし、活発な議論が行われていないように感じる*1。この先、若い世代*2が社会の中で持つ役割が大きくなってくる中で非ネット・非コンピューターの話題(特に人文科学・社会科学系の話題)がどのように取り上げられるようになるだろう?
一方で、非ネットの中でそのような話題を扱う雑誌、新聞、テレビなどの既存メディアはそうなっていくだろう?営業的にも内容的にもかなり曲がり角に来ていると思うのだけれど。

ウェブ人間論 (新潮新書)

ウェブ人間論 (新潮新書)

*1:僕の書くブログ自体もほとんど自分のためだし

*2:例えば、梅田氏の言う75年以降世代