ウェブ炎上

この本で扱っているのは、「ウェブ炎上」よりもずっと広い、メディアと社会の関係。ウェブ炎上に代表されるインターネットのマイナス面が強調されることもあるけれど、ネットを規制したりアーキテクチャを修正すべしという議論は困難であるし、仮にできたとしても、ネットの長所*1をなくしてしまうことにつながる。ネットの負の部分はネットによって初めて生まれたものではなく、これまでもあったものが形を変えたものだというのが著者の考え。
ネットの負の部分を防ぐためには、一次情報に当たったり、まとめサイトを作ることが重要だとは思うけれど、行動規範だけでいいのかどうか、今のところ私もよくわからない。少なくとも自分の行動として、一次情報に当たることは忘れずにいたい。
この本では、「サイバーカスケード」を「集団行動」と捉え、プラスともマイナスとも捉えていないけれど、普通には「サイバーカスケード」はマイナスの意味を持っているように思う。

ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性 (ちくま新書)

ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性 (ちくま新書)

*1:Wisdom of Crowdもその一つだと思う