官製不況

健康診断の待ち時間に読み進めた。「官製不況」といって最初に頭に浮かぶのは改正建築基準法の下での住宅市場の冷え込み、改正貸金業方の消費者金融の苦境、なんかがすぐに思い浮かぶ。こういう問題では、政策行動がどんなところに波及していくかという思慮が足りないように思う。一般均衡でなく、部分均衡でしか物事を考えずに政策形成してしまったような感じ。
本書ではこれ以外にも、最近の株安(日本売り)、ワーキングプア*1年金問題サブプライム問題、1980年代の米国のS&Lの破綻とあれでもかこれでもかという感じで「官製不況」を取り上げている。ちょっと幅を広げ過ぎのような気がしないでもないが、短期的な景気変動や中長期の潜在経済成長率の形成に経済政策が大きな影響を及ぼすということが認識できるんじゃないだろうか。

官製不況 なぜ「日本売り」が進むのか (光文社新書)

官製不況 なぜ「日本売り」が進むのか (光文社新書)

*1:ベーシック・インカム、ベーシック・キャピタルのことをもうちょっと調べておこう。