金融危機の経済学
ちょっと読む時期が遅れてしまったけれど、読了。
この本の組み立ては、1. サブプライム市場(MBSとかCDOとか)に関する解説、2. 2007年のサブプライム・パニック以来の世界経済の状況、3. 金融危機の教訓は何か、の三本立て。
金融危機の教訓の部分では、米国当局の流動性危機と信用危機の判断ミス(信用危機が始まっていたのに、流動性危機と認識しての対応)、銀行中心の金融安定・危機対策の限界(投資銀行・ノンバンク・保険会社も含めた金融安定・危機対策の必要性)、景気と金融システム安定化の矛盾への対応(好況時には資産価格が上昇して自己資本比率が上がるので借り入れが拡大する)を述べている。特に気と金融システム安定化の矛盾への対応は重要と思う。
- 作者: 岩田規久男
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2009/02/06
- メディア: 単行本
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