日本の国宝、最初はこんな色だった

この本をエッセンスを一言で言うと「参加する視線」かな。あとがきのロラン・バルトの「表微の帝国」の話も面白かった。
著者の言うように、現在美術品となっているモノの多くは、本来、日常の生活の中で使われたり鑑賞されたりするもののはずで、デジタル技術を使ってもとあった色を周辺の情報も踏まえながら再現するだけでなく、当時見られたであろう視線にも着目しているところがよかった。ただ、もとあった色を再現するとか美術品そのものにアプローチするだけでなく、当時の時代とか人々の考え方とか、そういうことも感じさせてくれる本で、あっという間に読んでしまった。

日本の国宝、最初はこんな色だった (光文社新書)

日本の国宝、最初はこんな色だった (光文社新書)

表徴の帝国 (ちくま学芸文庫)

表徴の帝国 (ちくま学芸文庫)