日本銀行は信用できるか
木曜の午後のこの出来事以降、デフレ対策に関する話が盛り上がっている。この週末もTwitterの「デフレ危機」のタイムラインがすごいことになっていた。
そんな状況の中でこの本を読む。著者はずっとインフレ目標の導入によるデフレの脱却を提唱しているんだけれども、この本ではそれができないのはなぜかを分析している。曰く、東京大学法学部中心の「日銀流理論」に基づく前例主義、物価安定はゼロ・インフレだという考え、政策手段と政策目標の両方の独立性を持っていることや、四職のガバナンスの問題。これらの問題が語られ、ではどうすればいいかが提案されている。
面白かったのはエネルギー物価と輸入物価の消費者物価に与える影響の英・米・ユーロ地域と日本との違い。英・米ユーロでは負の相関なのに、日本では相関関係。英・米ユーロではエネルギーや輸入物価が低下するとその他のものを買うためにその他の物価が上昇し、全体の消費者物価指数の上昇が一定値で安定しているが、デフレ期待の強い日本ではエネルギー価格が下がっても他のものの消費が増えないので消費者物価も低下するという動きを見せているところ。なるほど。
- 作者: 岩田規久男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/08/19
- メディア: 新書
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