つくりごとか?史実か? 歴史ドラマと時代考証

1996年の「秀吉」、2006年の「功名が辻」、2009年の「天地人」の時代考証をした小和田哲男*1が時代劇における時代考証の役割とエピソードについて書いている。
ちょっと仕事が忙しいので、気分転換に軽いものをと思って読んだのだが、思いのほか面白かった。史実通りにやったらドラマにならない、でもドラマチックにしたら史実とかなり異なってしまう(と言いつつ、史実と異なってるじゃん、と思うことが多いんじゃないかな)という話だけであればおそらく普通なのだろうが、最新の研究成果をドラマに生かすという部分がよかったのだと思う。例えば、戦国女性史研究が進むことによって女性が表に出て行ってもおかしくないとか、勝者によって作られた歴史を異なる視点から描こうという取り組みのこととか(石田三成の人物像の描き方)*2

*1:そのあとに2011年の「江〜姫たちの戦国〜」、2014年の「軍師官兵衛」の時代考証もしている。

*2:一方で、最新の研究成果ということで、学会で広く共有された考え方というよりも、筆者自体の見解が採用されるということにもなるのだろうが。