エコロジカルな経済学

インドネシアに行く前から読んでいたが、途中で「現場主義...」を読んでしまい、読むのに時間がかかってしまった。
第2章の「ゴミが出ない生産と消費の理論」は一般的なミクロ経済学をきれいにまとめている。そのような世界での環境問題(外部不経済という考えも、ゴミのない世界であることが前提)の対処は、価格を変える(税金、補助金)、量を調整する(規制、排出権取引)になる(自分もここまでが普通の「環境経済学」の世界だと思っていた)。
しかし、ゴミを少なくすることにより収益の際だが可能になったり、効用が大きくなることを生産・消費理論に取り入れると、無駄をなくすことと生産・消費を最大にすることで収益や効用を最大化できる(これを図で説明する工夫は素晴らしい)。このような生産・消費の理論が成り立つようにするために政府は環境政策を形成すべきである。例えば、不要物の価格を適切に負担していること、資源の価格が適正であること、製品の情報が消費者に正確に伝わっていることなどである。

エコロジカルな経済学 (ちくま新書)

エコロジカルな経済学 (ちくま新書)