八月十五日の神話

日本がポツダム宣言を受諾した日は1945年8月14日で、降伏文書に調印した日は1945年9月2日である。それなのに、玉音放送があった日である（だけ）の8月15日が終戦の日となっていった過程やその周辺にまつわる話を、新聞、ラジオ、教科書のメディアから分析している。
著者が提案する「8月15日を戦没者の日」にし、「9月2日を平和の日」にするという考えに同意。現在のような「戦没者の慰霊と平和の日」のように加害者と被害者を同居させるシステムでは、どちらへの取り組み（特に外向けには平和への近い）も中途半端なものにならざるを得ないだろうと思う。

八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学 ちくま新書 (544)