BRICs 新興する大国と日本

BRICsの5か国の経済状況、世界でのプレゼンス、日本との関係、BRICsに続く国ことなどをまとめた本。多分ここに書かれた情報は、数年で陳腐化してしまい、この本の賞味期限はあまり長くないのではないかなあと感じる。
同時に、この5ヵ国をまとめて書くにはあまりにも違いが大きすぎて、連続性には欠けてしまうよなあとも思う?「NIEs」とかASEANであれば地域性とか文化とか、つながりを考えることもできるのだが。BRICsの言葉の成り立ちが投資家への宣伝から来ていることも、何となく「まとまり」を感じない理由かな。
著者の主張は、「中国とだけでなく、他の4ヵ国との関係も深くしていかなければ」というもの。実際に海外で仕事をする身から言えば、アジア*1とその外で仕事をするのは大違いだと思う。チャイナプラスワンの1ヵ国は、やはりアジアの国ではないだろうか。その他の国との経済関係の強化も当然必要だが、それは一般的な強化のレベルなんだろう。

BRICs 新興する大国と日本 (平凡社新書)

BRICs 新興する大国と日本 (平凡社新書)

*1:アジアはミャンマーまでだと思う。インドは中央アジアの南部と同じ「インド世界」と言うべきだろう