世界を動かす石油戦略

カタールではあまり本を読まなかった。この本はカタールでだいたい読み終えていたが、今日やっと読了。
石油は、しばらく(20-30年くらい)は世界の需要を補う埋蔵量があり、しかも需要が高まれば今後も新たな探索活動によって埋蔵量が増える可能性が大きい。しかし、中東の不安定化、中国の動きなどが石油の需給にに影響を与える存在である。
重要なのは、石油は戦略商品ではなく、一つの商品であると認識すること。その上で、中東への過度な依存や石油への過度の依存をやめ、調達の多様化、エネルギーの多様化を図る必要がある。
この本はイラク戦争前に書かれたものだが、基本的な考え方は今も全く変わらないと思う。ただ、石油の市場商品化の流れはますます強まり、株式のようにファンダメンタルズだけではなく、「バブル」も含んだ動きをしているのが現在ではないか。ニューヨークのWTIは、1バレル100ドルを超えるかどうかという動きをしている。
Oil price settles at record high - BBC News

世界を動かす石油戦略 (ちくま新書)

世界を動かす石油戦略 (ちくま新書)