老いてゆくアジア

少子高齢化は日本だけではなく、韓国、台湾、ASEAN主要国、中国で見られる共通の現象で、それに対してどのように地域で協力し手いくべきかというのが本書の掲げる課題。
「東アジアの奇跡」の時代には、アジア諸国人口ピラミッドがピラミッド型から釣り鐘型に移行する次期と重なって「人口ボーナス」と呼ばれる現象が経済成長をもう一段後押しした。でも、「人口ボーナス」の時代が終わると、一気に高齢化社会を迎えて、経済成長の鈍化や都市と地方の経済格差の問題に直面する恐れがある。加えて、十分な経済成長を遂げる前に高齢化社会に突入しそうな中国やASEAN主要国では、どんな社会保障制度を構築していくべきか...。
大変に重たい課題であるが、一方で日本が周辺の国々に対して何を発進できるかについてもヒントを与えてくれているように思う。

老いてゆくアジア―繁栄の構図が変わるとき (中公新書 1914)

老いてゆくアジア―繁栄の構図が変わるとき (中公新書 1914)