日本経済2008-2009

年末にこんな報告書が出ているとは知らなかった。2004年度から出ているらしい。
「『年次経済財政報告』公表後の日本経済の現状についてまとまった分析を提供する」ことを目的にしている。つまり、『世界経済白書』から変わった『世界経済の潮流』と一緒で、経済白書も年2刊体制ということか。

概要の景気部分(第1章)を見ると、

  1. 日本経済は2007年年末頃から景気後退局面に入った可能性が高い。特に、 2008 年秋以降、世界経済の減速を背景に、鉱工業生産などの経済指標が急速に悪化している
  2. 今次景気後退局面の特徴として、1. 当初は、企業部門の悪化は比較的緩や かだったこと、2. しかし、2008年秋以降、海外経済の一段の減速を背景に 輸出、生産が大きく減少し、企業部門は異例の速さで悪化しつつあること、3. 家計部門の下支えが弱いこと、などが挙げられる。
  3. 2008 年秋以降、原油・原材料価格の下落を背景に一般物価の上昇も頭打ち

となっている、また、2008 年夏頃までの原油・原材料価格高騰の国内物価への影響は、品目の広がり、相対価格の変動ともに限定的なものにとどまった

  1. 海外経済の減速もあって、輸出は、2008年秋以降、アメリカやEU向け中心に減少している
  2. 2007年夏以降の世界的な金融危機の深刻化の影響は、我が国金融市場にも波及しつつあり、株価の大幅下落をもたらすとともに、欧米と比べ比較的安定していた短期金融市場が動揺する局面も見られた