物語 タイの歴史

昆明へのバスを待ちながら読了。東南アジアのこのあたりは国境線も変わっているし、「国」のイメージも現在のものと違う*1ので現在のタイ、ラオスカンボジアのあたりをカバーする歴史となっている。
現在ラオスで仕事をする立場からすれば、ラオスの中でもメコン川西岸のサヤブリ、チャンパサックに対するタイ人の帰属意識の強さ、ラオス側がメコン川対岸のタイに比べてなぜ人口密度が低いかは興味深かった。
それから、猫の目のように(しかもクーデターで)変わるタイの政権の移り変わりを見れば、1990年ごろから2005年くらいまでがむしろ政権の安定した例外的な時期だったのだなということが分かる。

物語タイの歴史―微笑みの国の真実 (中公新書 1913)

物語タイの歴史―微笑みの国の真実 (中公新書 1913)

*1:この本では「マンダラ国家」というコンセプトを使っている。