フリー <無料>からお金を生み出す新戦略

かなり時間をかけてしまった。ようやく読了。
音楽とか文字の情報のコンテンツそのものの価格はアナログの時代のコンテナに付随して決まっていた。一方で情報を送るコンテナはどんどん価格が安くなっている。その動きが音楽から始まり、今、書籍などの文字の情報にも広がろうとしている*1
この本には4つのフリーのモデル(直接的内部相互補助、三者間市場、フリーミアム、非貨幣市場)が最初に提示されるけれど、後半の議論のほとんどの部分を占めるのは三者間市場。ラジオやテレビから他の世界には広がっていなかった三者間市場がインターネットサービスに広がり*2、これまで以上にお金を払う人とサービスを受ける人の関係が複雑になっている。
直接的内部相互補助、三者間市場、フリーミアムと非貨幣市場って区別すべきものじゃないんだろうか?で、前者の3つを「フリー」というのはちょっと抵抗がある。
一方で、価格を極限まで低くすることによってこれまで埋もれていた需要を顕在化しようというのは、行動経済学ロングテールにも通じるものがあるような気がする。

フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

*1:今年の3月のJ-Waveの番組で、音楽に関して坂本龍一氏が津田大介氏にそのような話をしていた。

*2:これを牽引したのはGoogle