政府経済見通し+財政運営戦略+中期財政フレーム

政府経済見通し

平成 22 年度の経済動向について(内閣府年央試算)

平成22年度の実質GDP成長率は政府経済見通しを上回る2.6%程度と見込まれる。名目成長率は実質成長率を下回る1.6%程度となり、デフレ脱却に向けて政策努力の継続が必要である。
消費者物価上昇率は、GDPギャップ(供給超過)の縮小を反映して下落幅は縮小し、高校実質無償化の影響を除けば▲0.4%程度と見込まれる。

実質GDP成長率、名目GDP成長率ともには1.2%の上方修正。引き上げの要因は外需の伸び。
平成23年度は実質GDP成長率2.6%、名目GDP成長率1.6%の見通し。未だに1.0%とのデフレだが、新成長戦略(2011年度中には消費者物価上昇率をプラスにする)との整合性は?

財政運営戦略と中期財政フレーム

財政運営戦略
財政運営戦略 概要 -国民の安心と希望のために-
財政運営戦略 ー国民の安心と希望のためにー
Fiscal Management Strategy (Executive Summary) -For the Security and Hope of the People-

  1. 財政健全化目標
    1. 収支(フロー)目標
      1. 国・地方の基礎的財政収支(プライマリー・バランス)を遅くとも2015年度までに赤字対GDP比を2010年度から半減させ、遅くとも2020年度までに黒字化させる。
      2. 国の基礎的財政収支:上記と同様の目標を設定する
      3. 2021年度以降も、財政健全化努力を継続する
    2. 残高(ストック)目標:2021年度以降において、国・地方の公債等残高の対GDP比を安定的に低下させる。
  2. 中期財政フレーム
    1. 強い経済・強い財政・強い社会保障の一体的実現に向けて:平成23年度からの3か年は強い経済・強い財政・強い社会保障を一体的に実現する第一ステージと位置づける
    2. 歳入・歳出両面にわたる取組
      1. 国債発行額の抑制:平成23年度の新規国債発行額は、平成22年度予算の水準(約44兆円)を上回らない
      2. 歳入面での取組:税制の抜本的な改革を行うため、早急に具体的内容を決定
      3. 歳出面での取組(平成23〜25年度):1.「基礎的財政収支対象経費」について、前年度当初予算の同経費の規模(「歳出の大枠」)を実質的に上回らない、2.地方の一般財源の総額は、上記期間中、平成22年度と実質的に同水準を確保、3.新たな制度改正による恒久的な歳入増が確保された場合等には、国債発行額の抑制の規律の範囲内で、歳入増の範囲内の金額を「歳出の大枠」に加算可能)、4.中期財政フレームに基づく各年度の予算編成の実施、5.毎年半ば頃に翌年度以降3年間の新たな中期財政フレームに改訂する。

経済財政の中長期試算
これを見ると、既存の税制のもとでは、慎重シナリオ(1%ちょっとの実質、2%弱の名目成長率)、成長シナリオ(実質2%、名目3%)のどちらでもプライマリーバランスが2023年度まで達成できず、公債残高の対GDP比率がじわじわ上がっていくことを表現している。消費税増税の伏線という感じだ。