戦後世界経済史

この本にずいぶん時間を書けてしまった。確か、6月にシェンクワンに行った時にこの本を持っていっていたのだった。
この本は戦後の世界の各国(市場経済の先進国、旧共産国、アジア、アフリカの途上国)を幅広くカバー祖いていて、読む方も大変だが書いた方側の資料の収集・分析・整理も並大抵なことではなかったと思う。個人的にはやはり仕事柄、東アジアの奇跡*1、ワシントンコンセンサス、6章の累積債務問題・アジア通貨危機や経済の統合のところを興味深く読んだ。
第1章に書かれた5つの視点が2章以下ではあまり意識されることがなかったんじゃないかという気もしたが、副題にもなっている「自由と平等」がやはり本書を貫く背骨になっていると感じた。
戦後経済史というと、1920-30年代の世界恐慌に関することが抜け落ちてしまいそうだけれども、それは6章の4節「バブルの破裂」にしっかりと書かれていた。全般的なメッセージは2008年のサブプライム危機に対応してであるけれど、日本の15年のデフレに対するメッセージもきちんと書かれている。

戦後世界経済史―自由と平等の視点から (中公新書)

戦後世界経済史―自由と平等の視点から (中公新書)

*1:話ではたびたび聞いていたが、世銀報告書の評価をここまで明確に書いたも本ってあっただろうか?