通貨戦争?

10月8、9日に開かれたG7財務省中央銀行総裁会合を前に、現在の状況を「通貨競争」とか「通貨安戦争」だとマスコミだけではなく各国の政策担当者が言っていた。
この話、「伝説の教授に学べ!」にも書かれていて、大恐慌からの脱却の経緯が教科書に載っている1930年代の歴史と近年の経済史の分析とでは異なること、Hamada-Okamoto論文や[Eichengreen-Sachs論文の紹介があった。
これらの論文のエッセンスが高橋洋一先生によってまとめられている。
メディアが書き立てる「通貨安戦争」悪者論を鵜呑みにするな G7で為替介入に理解を求めた政府のお粗末 - 高橋洋一

EichengreenとStiglitz

Project Syndicateに載ったEichengreenとStiglitzの論説が対照的*1
通貨戦争を防ぐ方法 – 道草
たぶん、「為替操作」で一番意識されている中国でさえも、米国の金融緩和により為替レートを固定しているがための国内のインフレを抑えられなくなり、元の切り上げに向うだろうという論旨は痛快。一方で、金融政策だけで雇用の回復も含む景気回復まで持っていくのは難しいんじゃないかという気がする。
FRBの妥当性テスト – 道草
一方でStiglitzの論説。どうしちゃったの?と思ってしまった。自分が学生時代に学んだ、すごーく古いケインズ経済学に依拠しているような気がしてしようがない。

*1:その翻訳が両方とも道草に上がっている。