アフリカ 資本主義最後のフロンティア

2010年の春に放送されたNHKスペシャルの取材のための情報収集から生まれた本。確か第1回のルワンダの番組は見た記憶がある。
あたらし経済開発の流れ、中国企業の活動、資源開発、ジンバブエの経済破綻後の話などが書かれているが、その中でも興味深かったのが中国企業の活動。今回のアフリカの仕事でも南アフリカに40万人、アフリカ全体で100万人中国人が来ているという話も聞いたけれど、中国企業がアフリカでの経済活動を拡大している背景が大学卒人口の急増*1、政府による資金支援、それからアフリカがまだ手の就いていない市場であるということ。人民元政策で豊富に手にした外貨の使い先の一つであることは確かかもしれないけれど、国内で人材が余り気味というのもやっぱり無視できない要因なんだろうと思う。
今回の仕事の中でナミビアザンビアの国境のKatima Muliloに行った時に工業団地の中に居住する中国人に話を聞くことができた。1990年代の半ばからナミビアに来ているけれど、年々中国人どうしの競争が厳しくなり、どんどん地方に流れてここまで来たとのこと。中国人同士の競争もやっぱりシビアなんだと感じた。

アフリカ―資本主義最後のフロンティア (新潮新書)

アフリカ―資本主義最後のフロンティア (新潮新書)

*1:2010年の大学卒業生は630万人で、10年前の8倍