体制維新−大阪都
いろいろ言われている橋下大阪市長、できるだけ本人の考えているものをと思ってこの本を手に取ってみた。
大阪都の考え方(広域行政と住民に近い基礎自治体への分離)自体はなるほどと思うし、それを実行するためには国の既存制度がネックになってくるということも分かる。地方自治体のレベルでは政策形成は自治体職員の役割になるだろうということも、教育委員会の問題もそうかなと思えるし、国旗・国家は「組織内の決まりを守ること」というスタンスで反論しにくい。「小泉改革」と近いものも感じるが、中央政府と地方政府の違いもあるので、まだどう考えていいか最終的な判断はつきかねる。「大阪でもう少し成果を上げてから次の段階に進んでは」と思う。
国レベルになれば政策を実施するための法律の作成と決定も政治家の仕事だし、地方自治のレベルではあまり対応のできなかった経済安定化政策も重要な仕事になってくる。この辺についてはこれまでやってきたこととの優先順位、政策目的と手段の割り当てについてはどう考えているんだろう。
対談をしている堺屋氏は、「改革」の方へ引っ張ろうとしているように感じた。国レベルで正しい政策をやっているのに成果が出ないから改革が必要なんだと言ったり。こういう感じの清算主義に近い人、橋下人気に群がってくる人をどう見極め、どうするかというのも気になる。
- 作者: 橋下 徹,堺屋 太一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/11/01
- メディア: 新書
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