銃・病原菌・鉄(下)
上巻を読み終わってから一ヵ月かかってようやく下巻も読み終えた。
下巻は技術(文字や発明)、社会の構成と各論(オーストラリアとニューギニア、中国、太平洋の島々、アフリカ)などの話。上巻を引き継いで食料生産をより生産性の高い状態でできたユーラシア大陸で人口密度が上がり、それが技術の開発と伝播や社会の高度化に繋がったことを説明している。その上で、下巻を読んでいて面白いなと思ったのはこの2点。
- 実は「必要は発明の母」ではなく、発明があってそれをどう使うかと考えることから始まることが多い。歴史的な発明と言われるものも、実はすでにそれを導くための発明があった。
- 15世紀以降のヨーロッパ人のアメリカ大陸やアフリカ大陸の進出以前に、中国南部から東南アジアや太平洋諸島への進出、インドネシアあたりからマダガスカルへの進出、アフリカにおけるバンツー族の拡散などの大規模な人類の移動が起こっていた。文字に残した記録はないが、この本では考古学や言語学からそれを検証している。
原著は2005年には新しい版が出ていて(日本の読者を意識して?か)日本に関する章も出ているのだそう。
ダイアモンド『銃、病原菌、鉄』2005年版追加章について
文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
- 作者: ジャレド・ダイアモンド,倉骨彰
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2012/02/02
- メディア: 文庫
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