日本経済は復活するか

最近はKindleの本を読むことが多く、自炊本を読むことがめっきり少なくなってしまった。この本も春先から読み始めたのだが、第2部の途中で止まってしまい、長らく放置してしまった。ここ数日で第2部の後半を除いて一気に読み進んだ。
この本の第1部と第2部は、藤原書店学芸総合誌・季刊 「環」のvol.53(2013年4月)の特集の論文が元になっている。当時はアベノミクスの各施策が着手されて4ヵ月ほど、2014年4月の消費税増税までも間があって、リフレ政策を推進する人たちの論文もやっとトンネルを向けて明るくなったという雰囲気に満ちている。しかし、この本が出版された2013年秋にはまさに消費税の3%上げが決まる頃で、冒頭の田中先生の編者まえがきと第4部の片岡さん・田中先生の論文は消費税増税後の経済の先行きに警鐘を鳴らすものとなっている。そして、事実その心配が現実のものとなっている。
2015年の秋の更なる消費税の2%上げがこれから話題となってくる時期だけに、この編者まえがき(特にデフレ・レジームとリフレ・レジームのレジーム感競争の視点)と第4部(消費税増税インパクトを抑制するための3つのポイント)は改めて読まれるべきものだと思う。

日本経済は復活するか

日本経済は復活するか