なぜ八幡神社が日本で一番多いのか

なぜ浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか*1と対になっている、日本の神社のことについて紹介した本。
この本に書いてあるように、明治以前の伝統的な神社で祭られている祭神は古事記日本書紀などの神話にそれぞれ位置づけされているんだろうと思っていたがそうではなく、神社の系列の中で最多を誇る八幡神社は渡来人の祀る外来の神、稲荷は突然出現した神と、いろんなところから出現しているのだなあと思った。思えばもともと大木とか山とかの畏敬を持った自然物が原始的な信仰の対象のはずで、あとからある程度理屈を付けようとしてもつけきらないものだろう。
もう一つ、著者は神道の本質を「ない宗教」と言っている。この「ない宗教」という理屈が、明治以降の神道の位置づけや靖国の問題の原因の一つなのだろうなあ。著者の「靖国神社」もそのうちに手に取ってみようか。

*1:こちらは買って自炊しているが、まだ積ん読状態。