第一次世界大戦

今年は第1次世界大戦開戦から100年ということで、100年前の今日に何が起こったかツイートするツイッターアカウント[twitter:@WorldWar1Live]というアカウントもできている。

そんな中、ツイッターで評価の高い意見の多く、またこの記事

を見たこともきっかけにこの本を読んでみた。
この本を読んで分かるのは、対戦に参加した欧州の各国は、最初は短期の戦争である(これまで欧州で行われてきた戦争のようなもの)と考えていたこと、戦争が長期化する中で、前線の兵士だけでなく各国の国民が後方で主に経済活動を通じて戦争に参加する体勢が初めて本格的に取られたこと、各国の国民意識民族意識が高まってくる中で、これはでは限られた人のみで隠れるように行われてきた外交交渉や国際関係のルールが変わったことで、やはり世界の国際関係のルールが大きく変わったタイミングだったと思う。
このような中で開戦初期に少しだけアジアでの戦争に参加し、連合国の中でも費用対効果を得た日本が欧州の経験から学ばなかった(ように見える)ことは、中国との戦争から太平洋戦争へと突き進んでしまったこと、そして場合によっては現在の戦争認識にもマイナスになっているように感じる。
筆者のこの言葉は同じことを言っているのだと思う。

筆者は、日本の対外戦争観・戦争経験と、ヨーロッパんでのそれの最も大きな違いはの一つが、この戦場・前線と本国・銃後の距離と距離感、前線と銃後間の交流の密度の差、また海に囲まれた孤立国家と、複数の国家と地続きの国家を持つ多国境国家との差にあり、それが国民の戦争経験の違いにも、また戦争観にも、大きな影響を与えてきたと考えている。それはまた、日本での他国の戦争経験についての理解にも大きな影響を与えていると思われる。

第一次世界大戦 (ちくま新書)

第一次世界大戦 (ちくま新書)