カタール経済

昨日に引き続き、カタール経済の話。カタールは人口100万人(うち、カタール人は20万人、出稼ぎの外国人労働者は80万人と言われている)ほどだが、2006年の名目GDPは約1,920億Riyal(5兆7600億円)で、一人あたりGDPは約575万円と、日本よりもずっと高い水準にある。

1980年からのカタールGDPの成長を見ると、1990年代の半ばまではとても穏やかだった(緑と黄色の線)。海外労働者の流入のよる急激な人口増加のために、一人あたりGDPは減少している(青線)。緑と黄色の線の最近の乖離は、急激なインフレが起こったことを物語っている。
センサスが行われた2004年のGDPの産業別シェア(実質ベース)と労働力人口の産業別シェアを見ると、GDPの半分強が石油・ガス。一方、労働力人口は6割近くがサービス産業に従事している。
Industry share chart
Industry share chart
1997年以降の実質GDP成長率の産業別寄与はこのような感じ。やはり石油・ガスの成長に大きく依存している。カタール政府は他の産油国と同じようにDiversification of Economyを謳っているけれど、そのためにはもっと外国人労働者を連れて来なくてはいけなくて、それがこの国の難しいところ*1

二つのグラフの数値データーはこちら

*1:2004年のGDP成長率はとても高くなっているが、統計上の誤差が修正されているようだ