BRICS再考
6月半ばにロシアで行われた首脳会議を受けて、このところBRICsやBRICsのでカップリング論に関する記事がたくさん見られた。
最近の中国やインドの経済の回復の動きを受けて、「やはりデカップリング論はあてはまる」みたいな話もあるのだが、このBRICs首脳会議でも見られたようにBRICsといっても一枚岩ではない。歴史も文化も異なる4ヵ国なので当たり前なので、当たり前と言えば当たり前なのだが。
で、以下のFinancial TimesとEconomistの記事。Financial TimesはBRICsという括りは経済的の制度的にも難しいという感じ、Economistはもうちょっと経済グループとしてのBRICsの力(例えば先進国に対する突き上げとか)を信じている。
- 違い際立つBRICs諸国 初のサミットで結束なるか - JBpress
- BRICsに疑問を投げかける中国 株式市場に見るもう1つのデカップリング - JBpress
- BRICsと新興国市場と世界経済 空論ではなかった巨大新興国の強さ - JBpress
どちらの記事もロシア経済に関しては同じような扱いで、ブラジルについては両者の評価が異なっている。先日世界銀行が公表した経済見通しでは、ブラジルの今年のGDP成長率はマイナス1.1%と見込まれているが、中南米カリブ地域全体(マイナス2.2%)よりはましと言うことか。
Economistの記事を見るとインドと中国の景気回復は政府の経済対策によるもので、それが必ずしも自律的な経済活動に結びつくには至っていない。国の規模が大きいメリットも大きいようだ。