World Energy Outlook 2009

International Energy AgencyからWorld Energy Outlookの2009年版が出ている。1年前カタールで仕事をしていたため注目して読んだが、今年はそうでもない。でもいちおう何が書いてあるか軽くチェックしておく。

  • 金融・経済危機の結果、2009年の世界のエネルギー消費量の減少はほぼ確実な状況にある。これは、1981年以降で最大規模の減少となる。しかし、現行のエネルギー政策のままでは、ひとたび景気が回復に転じれば、世界のエネルギー消費量は長期的な増加傾向へとすぐに戻ることになろう
  • レファレンス・シナリオでは、依然として化石燃料が世界の一次エネルギー源の太宗を占め、2007〜2030年のエネルギー消費増加分の4分の3以上は化石燃料によりまかなわれる。
  • 石炭・ガス需要を主に牽引するのは、発電用需要の大幅な伸びである。
  • この1年、資金調達環境の悪化、最終エネルギー需要の低迷、キャッシュフローの減少に直面し、世界のエネルギー投資は落ち込んでいる。
  • 政府の対応次第では、エネルギー投資の減少は、エネルギー安全保障、気候変動、エネルギー貧困に広範かつ深刻な影響を及ぼす。
  • 政府の政策が変わらず、現状のまま推移していくと、化石燃料への依存度が急速に高まり、気候変動やエネルギー安全保障に重大な影響を及ぼすことになろう。
  • 2030年までに見込まれるエネルギー起源の二酸化炭素排出量の増加は、全て非OECD諸国によるものである。
  • 世界の貧困層の近代的エネルギーへのアクセス拡大は、依然として喫緊の課題である。

Global Financial Crisisで一時的に需要が落ち込んでいるものの、経済が回復すれば途上国を中心に需要が回復する。一方で、供給サイドでは新規投資が抑えられているために供給能力に心配があるというところだろうか。