日本の年次経済統計の整理

毎月、鉱工業生産指数消費者物価指数労働力調査完全失業率)のデータをレビューしているが、1月末の速報発表時に2009年の暦年のデーターも出ていたので、そのうち整理したいと思っていた。いつまでも先送りはよくないので、えい!っと整理する。
以下のグラフの元になった数値データはこちら。
http://spreadsheets.google.com/pub?key=ttkINorQl7lxTJ3YQF9vA9Q&output=html

今度はGDPとかマネーストックとか整理してみよう。

鉱工業生産指数

こちらのページの「鉱工業接続指数(暦年・年度・四半期/総合のみ)(1953年〜)」に2005年データを加えた。
集計結果又は推計結果|鉱工業指数(鉱工業生産・出荷・在庫指数、稼働率・生産能力指数、製造工業生産予測指数)|経済産業省
1980年以降の生産指数、在庫率指数をグラフにするとこんな感じ。

バブル経済崩壊後、もう15年以上も生産指数が90から100の間を行き来しているのが分かる。2005年以降、指数が110くらいまで行った時期もあったが、(世界金融危機の影響はまだ限定的だった)2008年から急降下。

消費者物価指数

こちらのページの「中分類指数(全国)−年平均指数【昭和30年〜平成16年】」に2005年以降のデータを加えた。
政府統計の総合窓口 GL08020103*1
1980年以降の総合指数、生鮮食品を除く総合(コア)、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合(コアコア)をグラフ化するとこんな感じ。

3つの指数とも、1998年をピークに緩やかに低下し、2003年以降は総合とコアは水平、コアコアは低下を続けるという感じだろうか。2008年の石油や一次産品の価格上昇も、長期で見れば大したものではなかったように見えるし、コアコアには影響がなかった。
あと、1980年から88年くらいまでは、総合・コアとコアコアとの間にかなり乖離があった。そのような乖離がここ数年になって再び出てきたようにも見える。

労働力調査

こちらのページの「【年平均結果―全国】就業状態別15歳以上人口」を使った。
統計局ホームページ/労働力調査 長期時系列データ
1980年以降の就業者数と完全失業率をグラフにするとこんな感じ。

1988年くらいから就業者数と完全失業率のグラフは反対方向に動くようになっている(失業者数と完全失業率のグラフは同じおような形を描くようになっている)。就業者数のピークは1998年で、その後は2004年まで低下していた。2005年以降じわじわと増加し始めていたが、世界経済危機でまた低下。

求人倍率

日本経済復活一番かんたんな方法 」の114-115ページくらいに飯田先生が「日本の場合、労働市場の動向を見るのには失業率よりも有効求人倍率の方が参考になる」と指摘しているので、有効求人倍率、新規求人倍率もチェックしておく。
こちらのページの「労働市場関係指標(求人倍率・求人数・求職者数・就職件数)」を使う。
政府統計の総合窓口 GL08020103
1980年以降の有効求人倍率と新規求人倍率をグラフ化するとこのような感じ。

これくらい長期だと、有効求人倍率と新規求人倍率の動きの方向に殆ど変化はないように見える。バブル経済最盛期の1989年頃には有効求人倍率は1.4くらいに上がり、2006年くらいにも1.06まで上がっている。これを見ると、溝口・テーラー介入後の景気回復は雇用にも好影響を与えたことが分かる。有効求人倍率は1.0以下の時期がかなり長い。1980年代前半もずっと1.0を割っている。それでも0.5を割り込むまで落ち込むのは1999年と現在くらい。

*1:e-Statのページが妙に重いんだが、海外からアクセスしているせいだろうか?