日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率

去年の12月初めから読み始め、ずいぶん時間をかけてしまった。読んでいるうちにうんざりしてしまって、なかなか読み進めなかった。
自らの保身のために次々と新手の産業政策を繰り出したり、エネルギー政策をねじ曲げてきた経産省はいらない省庁第一位と思ってきたが、農水省も同様なんだなということがわかった。自給率向上を中心とする農業政策も、農業という産業を守るのではなくむしろ阻害し、省益のために行っているんじゃないかと。この本に書かれている施策を読むと、「いったいどこの計画経済の国ですか」とい言いたくなってしまう。
個々の官僚の人たちは、少なくとも最初は日本をよい方向に持っていこうという意気込みで仕事を始めたんだろうけれど、全体のシステムとしてどうしてこうなってしまうのか。一方で、自分を含めて経済学を学んだ人たちが、市場メカニズムで資源配分をすることの重要性をアピールできていないんだろうなあとも感じた。

日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社+α新書)

日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社+α新書)