日本の伝統
以前、NHK BSの「日本の庭園」という短時間の番組で慈照寺(銀閣寺)を紹介する時にこの本の一節が紹介されていて、関心を持った。
伝統とは、骨董を愛でるように無批判に受け入れる対象ではなく、古くから残っているものを現在の目で批評して残るもの。こういう視点で縄文土器、尾形光琳の燕子花図屏風と紅白梅流水図屏風、いわゆる枯山水の庭園を批評している。枯山水の庭園に関しては石組みは絵画的で彫刻的でないとか、中国(宋)の景色そのままであるとか批判しているけど、銀閣寺の銀沙灘と向月台、それから借景を高く評価している。
文体も昭和31年頃のものとは思えないほど現代的(漢字の使用が少ない)で、普通の人たちに芸術の見方を伝えようという意思を感じる。これも岡本太郎の作品なのだなあ。
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