飯田のミクロ

モザンビークの北部を回りながら読んだ。移動する飛行機の中で読了。
普通のミクロ経済の教科書は部分均衡分析を学んでから一般均衡分析に入り、一般均衡分析はちょこっと扱う程度*1。でもこの本は消費者や企業の行動原理を説明して一般均衡分析に向かうのがこれまでのテキストと違う。
それは、経済学の背後にある思考(方法論的個人主義)を大事にしつつ、できるだけ早くワルラスの法則を説明したいというところにある。著者も言うように、この本は意図的に具体例や政策的含意を排除して議論の枠組みを説明する本で、初めてミクロ経済学を学ぶ人にはこの本だけでは苦しいだろうけれど、一度ミクロ経済学を学んだ人がその分析の枠組みを整理するのにはちょうどいい。
図表やその説明のあたりで記号の扱いにいくらか誤植があるので、その辺りが修正されるといいなあと思う(時間があったら気がついたところをまとめておこう)。

飯田のミクロ 新しい経済学の教科書1 (光文社新書)

飯田のミクロ 新しい経済学の教科書1 (光文社新書)

*1:少なくとも、自分が経済学部の学生だった時は、一般均衡分析はおまけのようにちょこっと学んだ程度だった。高校の日本史の戦後のような扱い。