本当の経済の話をしよう

この本もモザンビーク北部をうろうろする空き時間に読んだ。全く経済学の知識がない人が最初に読む本としては、今のところこれが一番いいと思う。
マンキューは経済学の10大原理を掲げたけれど、この本ではもっとシンプルに「インセンティブ」、「トレード・オフ」、「トレード」、「マネー」に絞って、実際の世の中を経済的な視点で切り取っている。これまでもこういう本はあったけれど、なぜか話がミクロ経済学的に世の中の事象を切り取る話に止まることが多かった。でもこの本では、「トレード・オフ」で経済成長の必要性、「トレード」でTPPの話、「マネー」で金融政策の重要性というように政策的含意に深く切り込んでいる。
ボリュームは多いけれど、対談形式なのでさくさくと読み進める。いろんな本を参照しながらの対話になっているので、この本自体が次のステップに進むための読書案内にもなっている。

本当の経済の話をしよう (ちくま新書)

本当の経済の話をしよう (ちくま新書)