戦国大名の城を読む

読み始める前は、以前に聞いたSession 22の印象もあって、お城好きの女性の軽い本かなと思ったが、なかなかしっかりした本だった。
公園として整備されている城郭や、天守が現存している12の城だけじゃなくて戦国時代の山城なんかも扱い、かつその作りを事細かに説明しているのがすごい。そういう記述が織豊期の城、近世の城と続く。戦国時代の城は武田信玄北条氏康毛利元就、織豊期の城は織田信長豊臣秀吉加藤清正、近世の城は徳川家康藤堂高虎伊達政宗と各時代の城を戦国武将のキャラクターに引き寄せて説明しているのもなかなか新鮮。本のタイトルもこういうスタイルをよく表している。
城の特に土木工学的な作りを事細かに説明してあるけれど、文章だけで説明しているのでちょっと分かりにくい。もう少しその説明を分かりやすくする挿し絵があるといいのになと思った(作るのには大変な手間がかかるのだろうけど)。
仕事に就く前、学生時代には休みにはふらふらと日本各地に旅行に出ていたけれど、もう20年くらいそんなことはしていない。関東近辺でもこの本に書かれている城跡を辿ってみたいなあと思う。

こちらが著者のWebサイト。
城メグリスト