フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人
今回のミャンマー出張に向かう機内と首都ネピドーでの週末で読んだ。どんな食事をとるか選択することは一種の政治であること、日本人にとっては食が一つの大きなアイデンティティーであったけれど、それが二極分化しつつあることを説明し、現在の日本人の食をマッピングしようとしている。特に実は細かく細分化されているフード左翼については、その取り組みは成功しているように思う*1。
有機農業を行う団体の活動(この本では「たまごの会」という団体が取り上げられている、)が政治色をどんどんなくし、農業や食そのものに向かっていったこと、でもこういう農業団体はあくまでも都会の延長で、地方そのものではないということ、ある意味でフード左翼は、技術の進歩については否定的で、弱者に対する配慮はないという指摘はどれも興味深い。
あと、この本で参照されている本も興味深いものが多い。「未来の食卓 2035年 グルメの旅」、「有機農業と遺伝子組み換え食品 明日の食卓」、「繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史」は手に取ってみたいと思った。
- 作者: 速水健朗
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2013/12/13
- メディア: 新書
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*1:フード右翼の分析は単純なようで実は難しいのだろうか、どうなんだろう?