思考をみがく経済学

経済学思考の技術思考の「型」を身につけようにつながる、飯田先生の経済学思考の本。もともとNHKの「ラジオビジネス塾*1という番組を書籍化したもののようで、かなりビジネス実践編的な内容になっている。
私自身、経済学と経営学は全く思考が異なるものだと思っていて、経済学は経済活動に関わる仕組みを疑い、分析するもの、経営学は制度を含む経済活動に関わる仕組みを所与としてその中で一番企業組織がパフォーマンスを上げる方法を分析するものだと思っているけれど、この本では経済学的には競争は素晴らしいものでも、会社経営では競争を避ける手立て(差別化)を考えなければいけないことを説いている。
その他には機会費用やサンクコストの考え方、自然独占、情報の非対称性、ゲーム理論などを具体的な事例を踏まえながら説明している。経済学のバックグランドがない人でもとっつきやすいのではないだろうか。