「中卒」でもわかる科学入門

東日本震災後の科学への不信、そこから派生する疑似科学と、民主党政権下での事業仕分けの際の科学への評価(役に立つ研究)などを踏まえて書かれた本。第1章に書かれている「カネ」の関連お記述はちょっと...というところもあったが、科学について書かれていることは概ねその通りだと思う。特に、原子力政策のところ(経済的な観点から、原発は有利なテクノロジーではない)*1、科学と政治の話(役に立つことを目指したトップダウンの科学プロジェクトから、世界観を変える発見が得られることは滅多にない)*2

*1:でも一方で、「つなぎのエネルギー」として一部はとりあえず使っていかなければいけないのではないかとも思う。

*2:思えば、科学プロジェクトと産業政策は似た特徴を持っているかもしれない。事前にどんな科学プロジェクトが役立つか、どんな産業が有望産業か、決めることはほとんど不可能。