斎藤孝の速読塾 これで頭がグングンよくなる!

ジンバブエからの帰国途中に読み終えた。

サブタイトルはちょっと...*1だが、書かれていることはなかなか面白く、参考になりそうなことがたくさんあった。速読のためのこの本を手に取ったわけではないけれど、読んだ本を理解する上でいくつか参考になりそうなことをメモしておく。

  • 本は全て読む必要はない。2割読んで書かれていることの8割を知ることを目指す。
  • 起承転結の「転」の部分に注目することが重要。
  • 本に書かれていることを要約するレベルはBレベルの理解力で、Aレベルの理解力はその本に書かれていたことを踏まえて新たな価値を付与し、オリジナルのアイデアや提案、見方を出すこと。ここまでするためには、主観的な読み方をすることが必要。
  • イデアとは、パッとひらめくものというように思われているが、実はある種システマチックに出るもの。
  • 知性とは、多角的な視点から物事を見て、そこに統一性を見いだすこと、そしてその統一をどんどん組み換えていけるということ。
  • 物語や論旨の展開上、非常に重要な文章、もしくは段落(後で引用できるもの)を3つあげていく「ベスト3方式」がオススメ。
  • 一冊の本の中で3つ程度の「キーワード」を探すことも重要。キーワードを探すのは、書評や解説文などから探したほうが簡単。
  • 本を1冊読んだら、必ず引用文一文と自分のエピソードをひとつ絡めててA4程度の紙に打ち込み、読書ノートのような形で書き留めておく。
  • いい小説とは、主人公以外の人間にもリアリティがあるもの。
  • 小説は「他者理解」の作業なので、自分とは違う人間に視点移動し、自分にもそういう部分があるかもしれない、と自分の中の他者性に気づいていく効用がある。
  • 評論の場合は小説と違って、「この人の敵国は何か?」をつねに意識して読む。評論や論文は、「従来の考え方はこうだけれど、それに対して自分はこう考える」という構造になっているものがほとんど。

*1:これがちくま文庫のラインナップに入っているのか、と。