日本仏像史講義
ずっと以前に買った「仏像のひみつ」、「続仏像のひみつ」がなかなか良い本だったので同じ著者のこの本を手に取ってみた。
これらの本とは違って、もう一段学術的な記述が多い感じ。紹介されている仏像の写真を横に置きながら読みたい。この本を読んで、やはり自分は飛鳥時代から奈良時代の奈良の仏像が好きなのだなということを再確認した。
でも、もうちょっと後の時代にも関心を持ってもいいかもしれないとも思った。著者が和洋(仏像の日本的な様式)の完成とする定朝様式(有名なのは平等院の阿弥陀如来像)と、それと対比する(定朝様式に対するアンチテーゼを示し、彫刻の新様式を示した)慶派など。両方が見られる蓮華王院(三十三間堂)、最近では2012年秋に行ったが、もうちょっとじっくり見てみたいなと思った。
いずれ見てみたいと思った仏像をメモしておく。
- 興福寺東金堂薬師三尊像両脇侍:元々は興福寺仏頭(山田寺本尊)の両脇侍。
- 蟹満寺釈迦如来像:薬師寺の薬師三尊像と同じ時代の丈六金銅仏。
- 東大寺法華堂の不空羂索観音像:2012年夏に行った時には法華堂も不空羂索観音像も修復中だったので再訪したい。
- 神護寺薬師如来像:長岡京時代の仏像の代表作。
- 観心寺如意輪観音・神護寺五代虚空菩薩坐像:東寺講堂雑煮前後する時期の真言密教彫像の遺品。
- 仁和寺阿弥陀三尊像:密教時代の「漢」と奈良時代以降の「和」の融合。2014年に見たはずだが、あまり印象に残っていない...。
- 同聚院不動明王像:康尚(定朝の父親)の作品。
- 奈良長岳寺阿弥陀三尊像:玉眼の用いられた彫刻の初例。
- 北向山不動院不動明王像:奈良仏師の動向を考える上での重要な新資料
- 愛知・七寺の観音・勢至菩薩坐像:12世紀の奈良仏師の作。
- 奈良・円成寺の大日如来坐像:運慶の初期の作品。2010年秋にバスに乗って見に行った。「こんなところに」というところにあるが、これはまた見に行きたい。
- 伊豆願成就院阿弥陀三尊像の中尊、不動明王、二童子立像、毘沙門天像:運慶作。
- 神奈川・浄楽寺の阿弥陀三尊、不動明王、毘沙門天:これも運慶作。
- 作者: 山本勉
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2015/05/15
- メディア: 新書
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