国家の品格

講演が元になっているらしく、すらっと読めてしまう本。ちょっと右より?などと感じてしまうけれど、そういう風に考えるように刷り込まれていることがまた問題なんだろうと思う。
本書は社会や国家というレベルではなく、きわめて個人に訴えかける本。西洋から持ち込まれた論理的・合理的思考を完全に否定しているのではなく、論理的・合理的思考自体も何らかの前提から始まっているはずだから日本人は日本人オリジナルの前提を持っていいし、持つべきだと言っている。その時に有用なのが「武士道」とか、情緒とか伝統の美的感覚とか。
これまで、17世紀のロックとかホッブスとかの思想を説明したものを読んでも、いまいちピンと来なかった。ピンと来なかったのは彼らの前提が自分の環境に合ってないからでだったんだと納得。

国家の品格 (新潮新書)

国家の品格 (新潮新書)