G20会合

先週末からカナダでG8、G20の2つのサミットがが相次いで開かれた。
外務省: G8ムスコカ・サミット首脳宣言:回復と新たな始まり(主要なポイント)
外務省: G20トロント・サミット首脳宣言(主要なポイント)
G8での「G8ムスコカ・イニシアティブ 妊産婦,新生児及び乳幼児の健康」、G20での「国際金融機関の正当性,信頼性及び有効性の向上及び最も脆弱な人々のニーズに対する支援」の話もあるが、やっぱり気になるのはこの部分。

10. 我々は,回復の持続,雇用の創出,及びより強固で,より持続可能で,より均衡のとれた成長の達成のために協調行動をとることにコミットしている。これらは,各国の状況に即して差別化される。本日我々は以下に合意した。

  • 先進国において,財政刺激策を遂行し,今後実施される「成長に配慮した」財政健全化計画を伝達し,それを将来に向けて実施すること。健全な財政は,回復を維持し,新しいショックに対応する柔軟性を提供し,人口の高齢化という課題に対応する能力を確保し,並びに将来の世代に財政赤字及び債務を残すことを回避するために必要不可欠である。調整の経路は,民間需要の回復を持続させるため,注意深く水準調整されなければならない。幾つかの主要国が同時に財政調整を行うことは,回復に悪影響を及ぼすリスクがある。必要な国で健全化が行われないことが,信認を損ない,成長を阻害するリスクがある。このバランスを反映し,先進国は,2013年までに少なくとも赤字を半減させ,2016年までに政府債務の対GDP比を安定化又は低下させる財政計画にコミットした。日本の状況を認識し,我々は,成長戦略とともに最近発表された日本政府の財政健全化計画を歓迎する。深刻な財政課題がある国は,健全化のペースを加速する必要がある。財政健全化計画は,信頼に足る,明確に説明され,国の状況に即して差別化され,経済成長を促進する措置に焦点を当てる。
  • 幾つかの新興国において,社会セーフティ・ネットを強化し,コーポレート・ガバナンス改革,金融市場の発展,インフラ支出及び為替レートの柔軟性の向上を強化する。
  • 我々の成長見通しを増加及び持続させるために,G20メンバー全体において構造改革を追求する。
  • 世界的な需要のリバランスを更に推進する。

金融政策は,物価の安定を達成するために適切なものであり続け,それにより回復に貢献する。

日本の状況(英文ではthe circumstances of Japan)というのは日本の財政赤字のほとんどが国内でファイナンスされている状況で、ここに書かれているようなスケジュールで財政赤字に取り組む必要はないということ。
しかし、あまり厳しく財政赤字目標を決めてしまうと、世界経済の2番底に繋がる恐れも。最近の世界各国の金利の低下はその懸念から来ているのではないかという声もある。