「壁と卵」の現代中国論

梶谷先生は、残念ながら学生時代には知り合うことがなかったが、共通の知り合いが何人かいて繋がっている。遅ればせながら著書を読んでみた。
現代中国論だが、やはり骨格になっているのは中国経済の分析。例えば、「単一の金融制度と独自の財政制政策」ということで、地方政府のマネタイズをユーロ圏と比較する見方は面白い。でもそれだけではなくて、後半には人権、日本人の中国の見方、民族問題など、経済学の枠をはみ出した、でも中国経済を研究するは外せない点がまとめられている。
「壁と卵」の話は中国だけではなく、日本でも他の国でも成り立つ話なのに、なぜ中国になぞらえて考えたかが最終章に書いてある。合わせ鏡のあちら側とこちら側の話。

「壁と卵」の現代中国論: リスク社会化する超大国とどう向き合うか

「壁と卵」の現代中国論: リスク社会化する超大国とどう向き合うか