数学ガールの秘密ノート ベクトルの真実

11月に入ってから読み始め、一週間ほどで読み終えた。高校生の時にベクトルを習った時には、文系だったということもあって何に使うのかなあと思った記憶がある。大学で経済学部に入って以降、今に至るまで産業連関分析で経済効果を計算する、という時に逆行列を計算するが、それもベクトルのお隣の行列の世界。

今回この本を読んで、改めて概念をきちんと理解していなかったのかなあと思ったことがある。「ベクトルは始点と終点が大事なのであって、途中はどうでもいい」とか、「ベクトルを直線の矢印で表すのはわかりやすいけれど、それは一面的な見方」とか。

それから、円に接する直線の方程式の求め方。当時は何となく機械的に理解して解いていたけれど、意味を理解していなかったなあと。

確定拠出年金の教科書

「信じていいのか銀行員」「全面改訂 ほったらかし投資術」、「全面改定 超簡単 お金の運用術」と読み続けた後、個人型DCの運用機関を変えようかなと思ってこの本を手に取った。

「教科書」を標榜する本書だが、勉強の目的によって、教科書に様々な使い方があるように、本書は、頭から尻尾まで、均一に読んで欲しいと願う本ではない。

と書かれていたので、勧められているように5章を飛ばして1章から6章まで読んだ。簡単に言ってしまうと、非課税という武器を最大限活用して、自分の持っているお金全体の中での一部として使うといいよと。

鈴木其一展

久しぶりに美術館に行く。ブログ記事を見てみたら昨年5月14日の鳥獣戯画展以来だった。サントリー美術館の鈴木其一展へ。

やはりプロモーションなどで大きく取り上げられていた「朝顔図屏風」、「夏秋渓流図屏風」、「風神雷神図襖」あたりに目が行ったけれど、数年前に江戸東京博物館の「ファインバーグ・コレクション展」で見た「群鶴図屏風」に再会できてよかった。

迷惑をかけないExcel

ナミビアから戻って、やはり時差ボケが解消しない。眠れないので、この本をパラパラとめくってみた。

Microsoft Officeの中で一つだけアプリケーションを選ぶとしたらやっぱりExcelか。大学院の修士論文でアジアの産業内貿易のデータを加工、計算して以来、今の仕事もこれがないと成り立たない。だからまあそれなりにちゃんと使っているという意識だったけれど、この本に書かれている「入力→計算→出力を意識したワークシート」っていうのはできているわけじゃないなあと思った。仕事柄、入力は日々の仕事で積み上がっていくものではなくて統計データや調査データを一気に入力したり*1、移行してきたりするけれど、入力→計算→出力っていう流れは意識していないなあ。

Excelには、機能、関数、VBAの三要素があり、この三要素を組み合わせることが最も効率のよい考え方で、この三要素は初級、中級、上級ではないというのもなるほどと。それ以外にも「なるほど」と思わせる使い方がいろいろと書かれていて、参考になりそう。

この本の著者はWindoes95が発売され、同時にMicrosoft Office 95も普及して行った頃にマニュアル本で見た名前で懐かしい。ネット上にあるExcelの関数やVBAの解決法は業務の流れを反映していないもので「こういう高度なこともできる」という情報になっていると手厳しい。この本の著者として一般社団法人実践ワークシート協会という団体もあるのだけど、Webサイトに行ったら著者の宣伝が主要コンテンツで、何だかなあという感じではあった。

迷惑をかけないExcel

迷惑をかけないExcel

*1:最近は入力する機会はかなり減ったけど。

全面改訂 ほったらかし投資術、全面改訂 超簡単 お金の運用術

信じていいのか銀行員」を読んでから、第3章、第4章に書いてあることって以前と変わったのだろうかと思って、購入していながら読んでいなかった「全面改訂 ほったらかし投資術」と以前一度読んだ「全面改定 超簡単 お金の運用術」にざっと目を通してみた。ナミビアの出張の最終盤と、ナミビアから南ア経由で帰国する機内で読み終えた。

購入したらいいという商品は変わっているけれど、大きなポリシーは変わっていなかった。やはり、どんな風にお金を運用したらいいかということであれば、「信じていいのか銀行員」よりもこの2冊(どちらか1冊と言われれば「全面改定 超簡単 お金の運用術」かな)を読んだほうがいい。全体のポリシーを短い言葉で言うと、1. お金に色はない、2. 税金が控除されるシステムをうまく利用する、それから3つ目は、

市場は効率的ではないけれども、特定のアクティブ運用が勝ち続けるのは難しいし、それを事前に見極めるのも難しい、というあたりが多分現実の姿です。

という感じだろうか。

「全面改定 超簡単 お金の運用術」の方には、デフレを脱却してそこから好況に向かったら…という話が書かれている。この本は平成25年9月刊、今からちょうど3年前で、消費税の8%から10%への増税閣議決定される直前のタイミングだったんだけど、当時はそんなに強気な感じだったのだなあと改めて思い返してみる。

信じていいのか銀行員

山崎元さんが最近(2015年12月)に出された本が講談社新書のKindle版のセールで入手しやすくなっていたので、購入して読んだ。山崎さんのネット上のコラムは毎週読んでいるけれど、書籍は「全面改定 超簡単 お金の運用術」を読んで以来。

私は大学の学部生時代の就職活動はもっぱら銀行で、友人もこの業界にたくさん行っているので、第1章、第2章はもし自分もそのまますんなり銀行に入っていたらこんな風になっていたのかなと思いつつ読んだ。原田泰氏の著作にも感じるのだが、取りつく島がなくバッサリと切り捨てらる感じではある。

でもこの本は今の銀行員(や証券会社などの金融機関の人)に厳しいだけではなく、第3章と第4章ではお金の正しい運用の仕方について書かれている。意図的であれ、そうでなくても、銀行員が誤った商品を顧客に進めるにしても、それを受け入れてしまう顧客がいるわけで、顧客のリテラシーを引き上げることが必要だからだ。第3章は投資家の誤解していること、第4章は、では、個人はどのようにお金を運用したら良いのかという話。この部分、「全面改定 超簡単 お金の運用術」とも重なるのだが、すっかり忘れていた。逆に言えば、お金の運用はそうそう簡単に変わるものではない、ということでもある。

入門者のExcel VBA

この本の著者は高校時代の同級生で、以前から一度読んでおこうと思っていた。数日でさっと読むことができた。

この手のプログラミングの入門書の中でも、この本は一番説明が丁寧じゃないかと思う。そのために一冊の本の中でやれるようになることは限られているけれども、プログラムの「プ」の字も知らないレベルの人が最初に手にするにはとてもいいと思う。今さらVBAという言い方もあるかもしれないけれど、とっつきやすいものであることも確か。続編も出ているので、セットでオススメ。